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2013年6月15日土曜日
博多座だより~『ヤマトタケル』クマソの地探訪!
博多座で絶賛上演中のスーパー歌舞伎『ヤマトタケル』。
第一幕ではクマソタケル兄弟との戦いが描かれますが、明るくにぎやかなクマソの人々が印象的ですね。
そんなクマソゆかりの場所を訪ねてきました!!
その名も「熊襲の穴」!
鹿児島県の霧島地方、妙見温泉の近くにあります。
なんと、ヤマトタケルがクマソを討った場所と言われているそうです。
お芝居の舞台ですね。
早速行ってみましょう!
表示にしたがって、うっそうとした森林の中を登っていきます。
ちょっと怖いです~
でも道は整備されているので安心。
こんな素敵な像も。
途中分かれ道がありますが、どっちを行っても着くようです。
5分ほど登って到着。
崖の下にあります。
この穴が「熊襲の穴」
入るには暗くて狭そうですが…
明かりをつけて入りましょう。
洞窟の入り口はかなり低いので、頭上に注意です。
さて、何が待っているのでしょうか…
洞窟内は神秘的な壁画が明かりに照らされているではありませんか!
この壁画、鹿児島出身の萩原貞行さんという前衛芸術家が描いたそうです。
内部はひんやりとして、天井から垂れる水音がぽつりぽつりと響きます。
入り口の掲示版によると、洞窟はもっと奥まで広がっているのですが、今は崩れて入れなくなっているそう。
この洞窟でクマソたちが宴会をし、そこにヤマトタケルが乗り込んでいったとのことですが、どうもこの壁画に囲まれているとそんなこともあり得る気がしてくるから不思議です。
外からの見た目は怖そうですが、入ってみると神秘の宇宙の広がる㊙スポットでした!
洞窟から出たら、忘れずに電気を消しましょう。
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「熊襲の穴」は、妙見温泉バスの「石原荘前」から歩いてすぐに入り口があり、表示も大きく出ていますので、アクセスが簡単。
緑豊かな渓谷の温泉の他に、坂本龍馬新婚旅行の地や、可愛いイノシシのいる和気清麻呂ゆかりの神社もあり、見どころが豊富です。
霧島地方にお越しの際は、ぜひ「熊襲の穴」で古代ロマンを体感してみてください!
近くの橋にもこんなレリーフ。「熊襲と日本武尊」
熊襲の穴へのアクセスはこちら
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番外編~隼人塚
鹿児島県隼人町にある「隼人塚」
日豊本線の隼人駅から徒歩5分ほど。
古代の南九州に住んでいた人々の呼称として有名なのは、『ヤマトタケル』に登場する「クマソ」、そして「隼人」と呼ばれた人々です。
クマソが具体的どのような人々だったのかははっきりしないようですが、隼人の方は、史料にもしっかり登場しています。
720年(養老四年)に隼人の人々が大和朝廷の支配に対して大きな反乱をおこしましたが、鎮圧されてしまいました。
「隼人塚」はその反乱で亡くなった隼人の人々の慰霊のために立てられた塚と伝えられてきました。
現在の姿は復元されたものです。
この塚の敷地内に「隼人塚史跡館」があり、隼人の古代史や、塚の仏教的価値、復元の過程などについてわかりやすく展示されています。
クマソについても紹介されていますよ。
神話では隼人の先祖を「海幸・山幸」神話の海幸彦としています。
弟の山幸彦をいじめた結果、海神の力を得た弟に逆に仕返しされ、従うことになった海幸彦ですが、山幸彦は神話では神武天皇のおじいさんにあたります。
隼人もクマソも、大和の政権に従属する物語が記紀神話に載せられているのです。
『古事記』の成立は隼人の反乱よりも前ですが、このような物語によって支配を正当化されることへの反抗意識があったのではないでしょうか。
『ヤマトタケル』劇中にも、大和政権の支配への反感を表すセリフや、それを受けたヤマトタケルの苦悩が描かれますが、歴史的背景を知っていると、登場人物たちの思いがよりはっきりとわかりますね。
「熊襲の穴」へ行く妙見温泉バスの始発が隼人駅なので、「熊襲の穴」に行く前の予習に最適です。
合わせてお寄りください!
隼人塚へのアクセスはこちら
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博多座だより、次回も演目ゆかりの場所を紹介します。
お楽しみに!
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