早速ですが、クイズです!
Q:鬼次郎が御殿に忍び入る際、持っていたものは何?
名前を答えてくださいね~
☆☆☆
ここで、『一條大蔵譚』にまつわるディープなお話です。
この物語で活躍する、鬼次郎の妻のお京。
『一條大蔵譚』のストーリーとは直接関係ありませんが、このお京、実は、弁慶のお姉さんという設定なのです。
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この『一條大蔵譚』、もともとは『鬼一法眼三略巻』という長いお話の一場面。
歌舞伎では『一條大蔵譚』の前の場面にあたる『菊畑』の場もよく上演されていますが、それ以外の場面はなかなか観る事がありません。
ですが、原作ではサイドストーリーとして、弁慶が成長する物語も組み込まれているのです。
原作によると、弁慶の父は平氏によって切腹させられ、母と姉(お京)も平氏に追われていました。
母は子を身ごもってから10年近く、一向に生まれる気配が無かったのですが、平氏に襲われ刺された時に、傷口から生まれたのが弁慶だったのです。
その後は、母を亡くした弁慶が預けられた寺で暴れまわる話が展開されます。
そして『菊畑』の場には牛若丸が登場し、『一條大蔵譚』を挟んで、有名な五条橋の話で締めくくられます。
原作では弁慶、主役級人物なのです!
『一條大蔵譚』の主役の一條大蔵卿も、実は実は、源氏の血筋。
こちらはせりふでも「元来我は源氏の末葉(ばつよう)」と言っています。
うっかりすると聞き逃してしまいそうですが、一條大蔵卿がなぜ鬼次郎たちの味方をしているのかを考える際に、とても重要ですね。
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『一條大蔵譚』は、源氏関係者だらけのお話なのです。
そこを念頭に置いて観ると、登場人物たちの源氏再興に懸ける思いが、より一層伝わってきますね。
ところで文楽では、本日ご紹介した弁慶のお話を含めて、『鬼一法眼三略巻』を通しで観る事ができます。
頻繁に上演しているというわけではありませんが、前回は2009年9月に国立小劇場でありました。
次の上演の機会には、文楽でもぜひご覧ください!
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